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いくつかのIFRS基準の解説-各IFRSの基本原則に焦点を当てて-研修会

先週金曜日(13)、日本公認会計士協会/東京会によるIFRS研修会に参加しました。講師は、公認会計士で、中央大学特任教授/山田辰己先生でした。山田先生は、元IASB理事で(おそらく現在も)この分野の第一人者です。内容は、「基準の解説」にとどまらず、タイトル通り「基本原則に焦点を当て」た素晴らしいものでした。大変勉強になりました。同時に、(1)OCI項目は、収益及び費用であるが純損益(当期純利益)を安定させるため(変動性を緩和するため)、純損益から除外することを目的に設定される、(2)公正価値は、出口価値(exit value)で保有資産を売却して得られるキャッシュ・フローであり、市場参加者の視点で測定される、(3)確定給付年金の再測定の原価算入には、いくつかの考え方があり実務では原価算入されない取扱いが普及している、(4)固定資産の回収可能価額は、処分コスト控除後の公正価値(=当該資産を処分することによって得られる価値)と使用価値(=当該資産を継続して使用し続けることによって得られる価値)のいずれか高い金額、については、(1)恣意性(∵変動性を緩和)(2)継続性(∵保有資産を売却)(3)比較可能性(∵実務では普及)(4)経営者による意思決定(にかかわらずいずれか高い金額)といった点が、「高品質な単一で比較可能性に優れた、投資家の意思決定に有用なIFRS」とどのような関係にあるのか、十分理解できませんでした。今後の課題として取り組もうと思います。