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ロナルド・ドーア、藤井眞人[訳] (2001)『日本型資本主義と市場主義の衝突』読了

この本は初版発行から既に20年弱経過しています。従ってそのまま今の時代にあてはめることはできません。しかし日本人ではない視点から日本を論じる貴重な一冊でした。イギリス人である筆者の主張を一言でいうと、ドイツやヨーロッパと親和性のある日本型資本主義に、アメリカやイギリスがリードする市場主義を無理に取り入れる必要はない(のでは)、というものです。これを会計に引き寄せると、2000年以降の内部統制ブームや投資家に対する情報提供に重きを置く時価会計の広がりが、(わが国において)どのように受容されたか及びその意義を丁寧に検討する必要を感じました。