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映画『シュヴァルの理想宮 ある郵便配達員の夢』鑑賞

シュヴァルの理想宮は、フランス南東部のオートリーヴという村に現存する宮殿(だそう)す。この宮殿は、郵便配達員だったジョセフ・フェルディナン・シュヴァル(1836年~1924)という人が、一人でコツコツ石を拾い集め、全て手作業で造りあげました。シュヴァルが建築に要した期間は33(1879年~1912)、時間にすると93千時間です。こうして造られたシュヴァルの理想宮は、(シュヴァル没後の)1969年、フランス政府によって重要建造物に指定されました。この映画を通してシュヴァルが、(1)配達途中、たまたま石につまづいたという(身近でどこにでもありそうな)出来事を通してアイデアを得たこと (2)とはいえ、建築や石工の知識はないため配達物に(時折)含まれる絵葉書で構想を練った(と思われる)こと (3)そして、10時間仕事・10時間建築という(外からみると)過酷な生活をストイックに継続したことに感心するとともに(心底)驚きました。同時に、人間嫌いで無口・卑屈な変人とみられていたシュヴァルを、家族は勿論、勤務先である郵便局の上司や同じ村に住む人々が、(素のシュヴァルを理解した上で)常に愛情をもって接し、時には暖かく見守っていたことは印象的でした。この映画は2018年に制作されたフランス映画です。理想宮は勿論、登場人物もほとんど知らない状態で観た作品ですが、(鑑賞後は)多くのことを考えさせられました。その中でも、何がシュヴァルをしてシュヴァルたらしめたのか、是非(ご本人に)直接会って話を聞きたいと思いました(決して実現しないことですが)