近年わが国では、コーポレート・ガバナンスの更なる充実の観点から、多くの施策が取り入れられています。例えば2020年度からは、社
外取締役の選任義務化や役員報酬の透明性確保を目的とする改正会社法が適用される予定です。この点、確かにコーポレート・ガバナン
スの重要性は、(残念ながら中々後を絶たない企業不祥事をみても)言うまでもありません。しかし(コーポレート・ガバナンスの)本来の
趣旨や狙いを理解せず、形(だけ)を整えると(企業ごとの個性や多様性が排除された)画一化を招き、長い目でみた場合に(企業の)活力や
国際的な競争力をそぐことを懸念します。そのため、コーポレート・ガバナンスの適用にあたっては、エクスプレインを躊躇しない風土
を(企業が)丁寧に醸成することが大切だと思います。会計・監査に引き寄せると、気づいたときの修正を躊躇しない、オオカミ少年の存
在を(ある程度)許容する風土の醸成でしょうか。