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林周二 (2004)『研究者という職業』読了

実務家と研究者というどっちつかずの存在である今の自分にとって、有意義な一冊でした。筆者が社会科学の先生であることも幸運でした。(この本を)ご紹介頂いた方に感謝です。ありがとうございました。内容については、今後に活かそう・常に肝に銘じようと思う箇所は、別途メモをとりました。ここでは、「社会・人文科学分野」に対する筆者の見立てをご紹介します(137)。「社会・人文科学分野は、数物・自然科学の分野に較べて、高等学校時代の優秀な学生が集まる度合いが平均的に少ない。また同じ社会科学のうちでも、経済系でいうなら、経済学より経営学系のほうが平均的に能力の低い連中があつまっている。また経営学の領域内では、純経営学よりも商学・マーケティング系が、さらに会計学系が、の順でそこへ研究者として集まる者の質が落ちる。(その理由は、思うに学問研究分野としての純粋性が、上述の研究分野のうち、後者に至るほど逐次低くなるためだと考えられる。ただ即効実用研究という面からみると、後者のような分野ほど研究者に対する社会的需要の門は広くなる。)」これを会計学に引き寄せると、学問研究分野としての純粋性は低いが、即効実用研究という面からは研究者に対する社会的需要の門は広いといったことのようです