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先崎学 (2018)『うつ病九段プロ棋士が将棋をなくした一年間』読了

 

先崎学(せんざきまなぶ)は将棋棋士です。1970年生まれ。いわゆる羽生世代です。タイトル獲得こそありません。しかし既に九段であることからも分かるように、トップ棋士の一人です。将棋の実力は勿論、解説やコラム・エッセイが洒脱な棋士です。そういえば最近みないなぁと思っていましたが、20179月から20183月まで全公式戦を休場していたことが分かりました。この本では、休場を余儀なくされる原因となったうつ病について、丁寧かつ赤裸々につづっています(うつ病は脳の病気で、自分のプライドと他人の評価を気にする自分が自分をうつ病にするというくだりが印象に残りました)。将棋の世界も、藤井聡太七段を中心とする(生世代をはるかに上回る)若い世代が台頭しています。そのため今後、先崎九段がタイトルを獲得することは難しいかもしれません。しかし(先崎九段の)解説やコラム・エッセイを通して、将棋ファンになった人はたくさんいます。これからは、今まで以上に健康に気をつけて、自分のペースで活躍して欲しいと思いました。