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税効果会計と繰延税金資産の回収可能性

税効果会計を適用すると繰延税金資産が計上されます。計上された繰延税金資産の回収可能性は、将来の課税所得をどう見積もるかによります。ここで、繰延税金資産の回収可能性に関する会計基準は、例えば日本基準・IFRS・米国会計基準において、全て一致しているわけではありません。これに対して課税所得は、各国の税法で定められています。そのため課税所得は、適用される会計基準にかかわらず、同一国内では同一(のはず)です。とすると、税効果会計から得られる財務情報、繰延税金資産の回収可能性についても、所在国が同じである限り、(会計)基準差を気にする必要はないのでしょうか。また以前こんな話を良く聞きました。「財務内容が悪く、不良資産を多く抱える会社がその処理を行うと、多額の繰延税金資産が計上される。その結果、財務内容の悪い会社ほど繰延税金資産が積み上がり危険だ。」これについても、繰延税金資産が税法の定めにしたがって計上されていれば回収可能性に問題はなく、危険ではないのかもしれません。採点の合間にふと頭に浮かんだだけなので、折を見てもう少し深く考えたいと思います。