添付日本経済新聞の記事は、今年に入ってすぐのものです。それによりますと、「2020年はデジタル社会のルール作りが本格化する。政府は『デジタル元年』と位置づけ、巨大IT(情報技術)企業による市場寡占を規制する新法を1月召集の通常国会に提出する」そうです。
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO54022460T00C20A1PE8000/
ここで2019年12月末の時価総額を例にとります。「巨大IT(情報技術)企業」と解されるアメリカの5社(アップル、マイクロソフト、グーグル、アマゾン、フェイスブック)の(時価総額)合計額は543兆円(=144+132+102+101+64)です。これに対して、わが国の東証1部上場企業(約2,100社)の(時価総額)合計額は648兆円です。確かにこの数字をみれば、「市場寡占を規制する新法」が必要と思われるかもしれません。しかしこれら5社は、いずれも(比較的)新しい企業です(例えば創業は、グーグル1998年・アマゾン1994年・フェイスブック2004年)。また添付未来投資会議(第31回)配布資料2(基礎資料)からは、わが国の上場企業における近年の現預金の積み上がりが分かります(2012年度84.8兆円→2018年度116.0兆円)。
https://www.kantei.go.jp/jp/singi/keizaisaisei/miraitoshikaigi/dai31/siryou2.pdf
このようにみてみると、政府の目論見通り2020年をデジタル元年と位置づけるには、法整備より大切なことがあるように思います。