· 

禍を転じて福と為せ

現在、中国発の新型コロナウイルスが、世界中で猛威をふるっています。WHO(World Health Organization世界保健機関)は、10日ほど前の123日時点では、緊急事態宣言を見送りました。確かに専門家(機関)にとっても判断が難しい状況でした。しかし春節を経て、状況が悪化の一途をたどっているのは残念です(その後WHOは1月30日、国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態にあたると発表しました)。同じ頃日本では、中国政府による1月27日からの海外(への)団体旅行一時禁止を受けて、(中国からの)観光客減少に伴う(ホテルや飲食店の)経済的なダメージが話題になっていました。しかし例えば、2002年の年末以降、主に中国で猛威をふるったSARSが、(1)原因は今回と同じコロナウイルスで、(2)終息宣言までに6ヵ月強を要したことを考えると、やや短期目線 (Short-Terminism) に陥っているように感じます。人命に係る大変な状況下、最新の一次情報に基づいて、必要な対策のタイムリーな実行は勿論です。同時に(少し)どっしり構えて、(個々の)ホテルや飲食店、更に(国が成長戦略の1つと位置づける)観光において、長い目でみたあり姿・そのために必要な(真の)構造改革・それを支える現実的なContingency Plan(またはPlan B)を検討してはどうでしょう。ピンチはチャンスだからです。禍を転じて福と為せ。