評論 · 24日 2月 2020

三者三様

近時の日本銀行・金融庁・WHO(World Health Organization、世界保健機関)の発信を通して、三者三様、それぞれの一面を垣間見ることができました。

・日本銀行「金融リテラシー、国際的にみて日本の向上余地大きい－雨宮日銀副総裁」出所：2020年2月14日付ブルームバーグニュース

　金融リテラシーの重要性は論を待ちません。ただそれを、日本の中銀が(自ら)発信したことに(やや)驚きました。同時に「日本国民の

　投資姿勢は、依然として保守的との認識を示した」ことも興味深く感じました。

・金融庁「株取引過度な自粛待った金融庁、異例の呼びかけ経営者は法令違反警戒」出所：2020年2月19日付日本経済新聞(朝刊)

　監督官庁でもある金融庁が「企業経営者が上場株式の取引を過度に自粛しないよう、異例の働きかけを始めた」そうです。背景として

　「金融知識が高く、高所得の上場企業の役員らが株取引を敬遠する現状は健全ではない」という(金融庁)幹部の指摘も紹介されていま

　す。なお「所得や金融知識の高い上場企業の役職員が株取引に近寄らない風潮は日本市場のいびつさも象徴している」という記事本文

　は、上記日銀の認識と共通する部分があるように思いました。

・WHO「東京五輪開催、WHO『可否判断しない』」出所：2020年2月15日付日本経済新聞

　WHOは、新型コロナウイルス(COVID-19)の感染拡大で、2020年東京五輪の開催に関する懸念が出ていることに対して「WHOは開催可否を

　判断する立場にないと強調し」たそうです。WHOの役割は「リスク評価など技術的な支援など」だから(だそう)です。いつの間にか、パ

　ンデミック(広範囲におよび流行病)のみならず、ブラックスワン(予測できないものの一度発生すると社会に多大な影響を与える事象)

　も気にしなければならない状況に置かれているのかもしれません。