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日米差異①Non GAAP

やや昔(2016)になりますが、アメリカのIT業界でこんなことがあったそうです(*ご参照)。マイクロソフトが、当時不振だったノキア事業の費用化と携帯電話事業の全額償却を行いました。インテルも、ポストPC時代を見据えた事業再編費用を計上しました。このとき両社は、投資家が(マイクロソフトやインテルといった)IT企業を評価する際に(好んで)用いるNon GAAPベースの財務情報から(これらの費用を)除外しました。確かに、Non GAAPは企業の裁量に委ねられています。しかし、企業が(所謂)チェリーピッキングを行うと、短期的にはともかく長期的に(結局)投資家をミスリードするように思います。この点日本基準(J-GAAP)は、経常利益・税引前当期純利益を設けています。そのため、わざわざNon GAAPを使う必要はありません。とはいえ、減損損失や再編費用が毎期(のように)発生している場合は、(特別損失ではなく)経常的な損失として処理するのが(日本基準としての)筋かもしれません。

[FT]IT企業の決算 米国会計基準の落とし穴 出所:2016722日付日本経済新聞

 https://www.nikkei.com/article/DGXMZO05133840S6A720C1000000/?n_cid=TPRN0005