· 

映画『スキャンダル』鑑賞

2016年に明らかになった、アメリカのニュース放送局/FOXニュースを舞台とする、実際のセクハラ問題を正面から取り上げた力作でした。世界中どの分野においても、女性の(一層の)社会進出が不可欠な今、セクハラ問題は重要なテーマです。セクハラ問題に対する啓蒙の観点からも、実話に基づくこの作品が、スピード感をもって制作・公開されたことは素晴らしいと思いました。一方、ここ最近だけをとってみても、世界的なオペラ歌手/プラシド・ドミンゴが(同氏から)セクハラを受けたと(同氏を)告発している複数の女性に謝罪したり、ハリウッドの元大物プロデューサー/ハーヴェイ・ワインスタイン被告に対して、性暴力などで有罪評決が(ニューヨークの裁判所の陪審団によって)下されています。改めて、役職・権限・部下といった要素がなくなった後の(素の)自分が、1人のプレーヤーとして、どのようなスペシャリティーやスキルを持ち、いかにバリューを発揮できるかを真剣に考える必要性を感じました。なお、告発した女性達のその後-実話なので調べれば分かることですが-や、告発しなかった女性達はどう思っていたのか、なぜ告発しなかったのかといった点にふれるのも一法かと思いました。また、特殊メイクで有名な辻一弘(という人)が、この作品で2回目のメーキャップ&ヘアスタイリング賞(オスカー)を受賞したそうです。ただ、実在の人物(メーガン・ケリー、グレッチェン・カールソン、ロジャー・エイルズ)を知りません。そのため、特殊メイクの素晴らしさを実感できず残念でした。