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ピンチはチャンス

新型コロナウイルスの感染は、依然として拡大しています。確かに、(それによる)悪影響は甚大かつ枚挙にいとまがありません。しかし、必ずしも悪影響だけではないかもしれません。先ず、テレワークの本格導入による働き方改革が進みます。これによって、ホワイトカラーの生産性も向上します。実際、組織の長にとっては(組織)全体を俯瞰しやすくなる、組織の構成員にとっては(直属の)上司(である中間管理職)の目がなくなり自由度が増すといった、プラスの状況が想定されます。これに対して、中間管理職にとっては負荷が(相当)高まる上に(管理職としての)真価・実力を問われる(厳しい)状況が想定されます。(構成員である)部下が(物理的に)離れているため、例えば勤怠管理や人事評価において、自らITを使いこなすスキルが不可欠になります。次に、中国をハブとする(現在の)サプライ・チェーンを見直し再構築します。(中国以外の)アジア諸国も、中国同様の機能を発揮する新たな機会ととらえてくれれば、win-winの関係を築くことができます。また、中国一極集中によるリスクの顕在化は、東京一極集中が続く日本に対する(貴重な)警鐘となり得ます。最後に、近時の株価下落は将来の伸びしろです。働き方改革とサプライ・チェーン再構築で生まれ変わる企業を中心に、新たな投資や雇用が生まれるからです。アメリカのJohn F. Kennedyは、19611月の大統領就任演説において、「国があなたのために何をしてくれるのかを問うのではなく、あなたが国のために何をなすことができるかのかを問うて欲しい」(Ask not what your country can do for you : ask what you can do for your country.)と訴えました。一人一人が自分の頭で考え行動することで、ピンチはチャンスに変えられると思います。