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FRC (英国財務報告評議会、The Financial Reporting Council)

FRC4大会計事務所の事業分離案を提示しました(添付2020228日付日本経済新聞電子版ご参照)ttps://www.nikkei.com/article/DGXMZO56168570Y0A220C2000000/

日本ではあまり知られていないかもしれません。しかし、「英国では、建設大手カリリオン、衣料品販売大手ブリティッシュ・ホーム・ストアズ(BHS)、旅行大手トーマス・クックの経営破綻など、注目を浴びる監査の失敗事例が続いた後、巨大監査法人に圧力がかけれられるようにな」りました。ところが、「迅速で大々的な会計業界改革に対する政府の意欲には衰えの兆しが見える」ことから、監査法人やコーポレート・ガバナンスを所管するFRCが、「4大会計事務所(ビッグ4)を解体する計画の概略を示し」ました。更に、「FRCは今後改組され、『監査・財務報告・企業統治監督機構』と呼ばれる組織が新設されることになっている。新組織はFRCより権限が強い規制当局となり、ビッグ4解体を強制する権限を持つと見られてい」るそうです。ところでイギリスは、元来、企業や会計の主体性・自主性に寛容な国です。実際、原則主義・実質優先主義・離脱規定といった、経営者や会計専門家の(経営)判断や専門性を尊重する風土が根付いています。コーポレート・ガバナンスに関しても、ソフト・ローが重視されています。このようなイギリスにおいて、今後(本当に)規制を強化する方向で進むのか、興味深く状況を注視したいと思います。なお細則主義のアメリカでは、PCAOB(米国公開会社会計監視委員会、Public Company Accounting Oversight Board)SECに吸収しようという、イギリスとは逆の動きがあるようです。こちらの状況も注視したいと思います。