· 

中室牧子・津川友介 (2017)『「原因と結果」の経済学-データから真実を見抜く思考学』読了

現代は、誰でも手軽に多くの情報に接することができます。そんな時代でもあり、出来るだけ自分で一次情報(オリジナル)にあたることを心がけています。それに加えて、様々なデータや統計結果を(自分なりに)解釈する基礎を得られればと思い、この本を手に取りました。予想通り、内容は専門的でした。しかし、具体的な事例を用いて分かりやすく説明されていました。大変勉強になりました。今後は、次の2点を忘れないようにするつもりです(いずれも基本中の基本、今更なのでしょうが)

因果関係とは、2つの事柄のうち、どちらかが原因でどちらかが結果である関係。これに対して相関関係とは、2つの事柄に関係はあるものの、原因と結果の関係にはない状態。

・比較する際に注意すべきは、比較可能なもので比較すること。原因と結果に影響を与える第3の因子が存在するかどうか確認すること。

また、「研究から生み出された知見は、知的公共財としてよりよい世のなかを作り出すことに貢献している」(188)という、研究者としての矜持も示されています。素晴らしいと思いました。