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IFRS9(金融商品会計)の一部適用停止

2020316日付ブルームバーグは、「欧州、銀行に会計規則の一部適用停止を検討-新型コロナの影響緩和」と報じています(添付1ご参照、添付2は原文)

添付1 https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2020-03-25/Q7R74NDWLU6T01?srnd=cojp-v2

添付2 https://www.bloomberg.com/news/articles/2020-03-25/europe-weighs-suspending-accounting-rules-to-aid-virus-hit-banks

確かに前回の金融危機(2008年のリーマン・ショック)では、市場が機能不全に陥ったことから、金融商品の評価が困難になりました。そのため、金融機関は重大な影響を受けました。しかし今回は、今のところ(企業会計の前提である)市場は有効に機能しています。にもかかかわらず、会計基準(IFRS)の一部適用停止が取り沙汰されるのは、原則主義のIFRSは基準(そのも)の理解に比べて、取引実態を把握し実務へ落とし込むことが難しいからでしょうか。であれば、単一で高品質なグローバル・スタンダードである(はずの)IFRSですが、(1)透明性があり経済的実態を忠実に反映する物差しとなっているか、(2)投資家の経済的意思決定に有用な情報を資本市場を通して届けているかについて、この機会に改めて考えても良いように思いました。なお、EUを離脱したイギリスの銀行は欧州の金融当局の救済措置の対象となるのか、日本やアメリカの規制当局はどう動くのかといった点も気になりました。