現代の会計基準は、ASBJ・IASB・FASBなどの(官からアウトソースされた)民間組織によって設定されています。筆者は、複数の仮説を立て、事実を1つ1つ積み上げ
ながら検証を行い、会計基準の設定が(官から民へ)アウトソースされた背景や経緯を丁寧に説明しています。また、IASBはグローバル化の進展に伴い、複数の国や地
域からアウトソースされている、FASBは米国内の産業構造の変化に伴い、当初の証券規制だけではなくエネルギー政策や金融政策にも巻き込まれている、といった
興味深い指摘もされています。なお、SECがFASBに会計基準の設定をアウトソースした際の主体に関して、以前の研究成果を一部アップデートされています。中々
出来ない誠実な対応です。見習いたいと思いました。