· 

IFRS

20213月期に予定されている、トヨタ自動車(株)の米国会計基準からIFRSへの移行を取り上げた添付a(2020623日付日本経済新聞電子版「大企業、国際会計基準に一本化へ トヨタ今季移行」)を目にしました。

添付a https://www.nikkei.com/article/DGXMZO60697180T20C20A6DTA000/

 

それによりますと「世界的な基準統一化の流れ」があるそうです。しかし例えば、アメリカにおけるトランプ大統領の誕生、イギリスにおけるEU離脱の決定などをみると、どちらかといえば「世界的なDiversificationの流れ」があるのではないでしょうか。また「IFRS採用企業が増えている」とのことです。しかし企業数でみると、20204月現在で208社、適用予定会社を合わせても224社です。これに対して、2020626日時点の上場会社数は3,711社です。出所はいずれも東京証券取引所HPです(添付b, cご参照)。企業数ではなく、全上場企業に占める割合(時価総額ベース)をもって「IFRS採用企業は増加傾向」と言い得るのか、言い得るとすればどうしてか興味深く感じました。

添付b https://www.jpx.co.jp/listing/others/ifrs/index.html

 

添付c https://www.jpx.co.jp/listing/co/index.html

 

それはさておき、「IFRSでは、持ち合い株の価格変動はPLに影響せず、貸借対照表(BS)みに反映させることが可能だ」などと評されるIFRSは頑強で客観的な指標なのか、真に有用な財務情報を市場に提供しているのかといった点を、(この機会に)改めて考える必要があるように思いました。