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有価証券報告書と監査報告書②

先日と同じ趣旨のようですが、添付2020年8月31日付日本経済新聞は、「[社説] 企業のリスク情報を信頼向上に生かせ」と報じていました。https://www.nikkei.com/article/DGXMZO63252430R30C20A8SHF000/

監査人が監査報告書にKAMとして記載するのは、監査人のリスクに対応するためで、経営者のリスクに対応するためではありません。KAMに対する(過度な)期待が膨らむのは(おそらく)筋違いですし、結局、新たな期待のギャップを生むだけのような気がします。監査基準

(第一監査の目的)が定める二重責任の原則(=財務諸表の監査の目的は、経営者の作成した財務諸表が、一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して、企業の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況をすべての重要な点において適正に表示しているかどうかについて、監査人が自ら入手した監査証拠に基づいて判断した結果を意見として表明することにある)を改めて周知し、(特に)経営者に正しく理解してもらった上で、KAMとは関係なく有価証券報告書に企業のリスク情報を従来以上に積極的に開示するよう啓蒙することが(おそらく)筋かと思います。