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リンダ・グラットン、アンドリュー・スコット、池村千秋[訳] (2016)『Life Shift(ライフ・シフト):100年時代の人生戦略』読了

人生100年時代と言われて久しい今日、自分が100歳まで生きるかどうかはさておき読みました。印象深かったのは、①従来の「教育→仕事→引退」という画一的な3サイクルから、これを繰り返すマルチ・サイクルになる、②今後は「有形資産(お金など)」「無形資産(人間関係など)」「変形資産(知識・教育など)」という3つの資産を形成しなければならない、③大学を22歳で卒業し60歳の定年まで同じ会社で働くといった、これまでの常識や生活の根底は覆されるという指摘です。今後益々変化が激しく・速くなるであろう世の中では、今まで以上に上手くバランスをとって生活することが求められるのだと思います。それは人間に限らず、企業や政府も同様でしょうか。改めてこれまでの常識や経験に頼れない、大変な時代を迎えていることが良く分かりました。本書は大部でしたが、例えば、「人間は『朝は4本足、昼は2本足、夜は3本足』というのは、有名なスフィンクスのなぞなぞだが、私たちはまさにそのとおりに、はいはいをする子ども、大人、杖を使う高齢者という順に人生を送る。しかし、マルチステージの人生が普通になり、人生でさまざまな活動を経験する順序が多様化すれば、『エイジ』と『ステージ』がかならずしもイコールでなくなる。」(224頁)など出来るだけ分かりやすく説明し(ようとし)てくれており、読みやすかったです。