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日本の立ち位置

2020年9月16日付日本経済新聞「シンガポール、早慶卒もビザ厳格化 邦人駐在員3割減も」は、興味深い記事でした。https://www.nikkei.com/article/DGXMZO63888630V10C20A9FFE000/

そこでは「外国人のビザ取得条件が厳しく」なっている理由として、「最低月給額の引き上げ」と「学歴の基準も厳しくなった」ことがあげられています。しかし「最低月給額の引き上げ」に関しては、1人当たり名目GDP64千ドル(2018年、世界8位)のシンガポールは相応の水準を求めている(だけな)のに、1人当たり名目GDP39千ドル(2018年、世界26位)の日本が、それを高く感じているという(だけの)ことかもしれません。「学歴の基準も厳しくなった」に関しても、世界大学ランキング2021によると、日本のトップは東京大学の24位ですが、シンガポールのトップのシンガポール国立大学は11位です。従って「厳しくなった」というよりは、番付通りということかもしれません。それにしても、1979年の米/社会学者エズラ・ヴォーゲルによる『ジャパン・アズ・ナンバーワン』、1981年のマレーシア/マハティール首相によるルック・イースト政策、1989年の日本企業による世界時価総額上位5社独占などから30~40年を経て、日本の立ち位置はすっかり様変わりし(てしまっ)たようです。