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成長至上主義の原点

2020年10月6日付日本経済新聞「『東証マヒ』世界がスルー 日本市場は新陳代謝急げ」における指摘は、成長ありき・成長を善とする成長至上主義の立場からは正鵠を得ているかもしれません。https://www.nikkei.com/article/DGXMZO64630190V01C20A0TCR000/

ただ、現在の日本が(依然として)成長至上主義という立場を採るべきか、採り得るのかという「原点」を見直す必要があると思います。確かにアベノミクスでキャッシュは(随分)ばらまかれました。しかしデフレ脱却はならず成長もありませんでした。また、地球温暖化に代

表される(成長至上主義がもたらす)歪みや弊害は世界中至る所でみられます。何よりも、学生さんを含む日本の若い世代にとって、生まれてこのかた過ごしてきたこの国で「成長」と言われてもピンと来ないのは(ピンと来ないのが)自然ではないでしょうか。成長至上主義の

原点が、主にバブル崩壊前に働き盛りだった人たちの成功体験(原体験)によるものだとしたら、withコロナのニューノーマルにおいては、その呪縛から脱却(方向転換)しなければなりません。記事では北欧のフィンランドが紹介されていました。フィンランド以外でも、同じ

欧州のポルトガルや南米のウルグアイといった国は、(フィンランドとも異なる)独自の行き方を選択しているようです(将棋の棋士が、名人位につながる順位戦ではなくフリークラスに所属するイメージでしょうか)。Withコロナのニューノーマルにおいては、成長を目的とする社会でなはく、「成長が結果」としてついてくる社会が求められていると思います。