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新型コロナウイルスとの距離感

2020年10月10日付日本経済新聞「『命か経済か』には解がない 対コロナ医療再考を」は興味深い記事でした。例えば以下です。

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO64839370Z01C20A0TCR000/

・秋冬に感染の「第3波」が来た場合、感染してもおよそ8割の人が軽症のまま回復するといったこのウイルスの特性を考えると「感染抑制と経済回復」の二兎(と)を追う戦略は危うい。ある程度の感染を織り込んで進めないと、一兎を得ずになりかねない。

・ウイルスの正体が明らかになるにつれ、人間にとって「怖い」というよりは「厄介」であることがわかってきた。

・ストレス社会では「病気」か「健康」かの二元論で片付けられなくなってきた。

・コロナのような厄介なウイルスの封じ込めを目指すと、その弊害として新たなリスクを生む。差別や偏見、バッシングは会社が今なお、感染者の発生に厳格な対応をとる裏返しともいえる。

・国内でコロナによる感染症は、ほかの肺炎と同じように「治せる病気」になってきた。

・しかし、人間には心があり、社会という集団に属している。その行動は科学的な合理性だけで割り切れるものでもない、コロナの医療が、現代医学頼みの硬直的な姿勢を改めなければ、厄介なウイルスに翻弄され続けることになる。

また、「PCR検査を大幅に拡充してみ」ることは一法ですが、検査陽性=他人へ感染させる→気を緩められない、検査陰性=他人へ感染させない→気を緩めても良いといったシンプルな話ではなさそうです。逆に、感染リスクの多くが至近距離での飛沫感染によるものだとすれば、手洗いとマスク着用を習慣化し日々の行動に注意を払うことによって、感染リスクはコントロールできるのではないでしょうか。確かに気を緩めることはできません。しかし過度に恐れず正しく恐れ、新型コロナウイルスとの距離感を適切に保つことが、withコロナのニューノーマルにおいては求められていると思います。