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宝の持ち腐れとならないように

2020年10月19日付日本経済新聞で、わが国の博士離れが報じられていました。

https://www.nikkei.com/article/DGKKZO65091890W0A011C2TJM000/

内容を一言でいうと、「博士号取得者は研究力の源泉」であるにもかかわらず、「博士人材が増えている米国・中国などとの差は開くばかり」という(厳しい)ものです。残念ながら、日本社会の少子化・高齢化、日本企業の新卒一括採用・年功序列・終身雇用・長く続く低成長といった(残念な)ファクトを考慮すると、現状はやむを得ないのかもしれません。では、学生さんを含む若い世代はどうするかですが、日本社会や日本企業は大切にしつつ、世界に目を向けることでしょうか。せっかくの能力(や意欲)が宝の持ち腐れとならないよう、グローバルに活躍してもらえればと思います。そして博士号を取得できれば、さらに素晴らしいことです。

ところで同じ記事の中で、「大学では常勤教員が高齢化している。90年代には3割を超えていた40歳未満の教員の割合は16年度に23.3%まで下がった。逆に50歳以上は46.5%で上昇が続く」ことが指摘されています。正に自分事です。このほかにも、「しかし、就職して身分が安定したら、扱いやすい課題やできそうな課題にだけ取り組んでいてよいものであろうか。(後略)」(池田幸典(2020)「財務会計における理論研究の課題」『企業会計』Vol.72 No.10)という問いかけもされています。新型コロナウイルス感染拡大の影響といった外部要因は一旦脇におき、初心に戻って精進する所存です。