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松尾豊 (2015)『人工知能は人間を超えるか-ディープラーニングの先にあるものー』読了

遅まきながら、この分野のことが少し分かった気がします。筆者は、人口知能に関して、日本がこれまで歩んできた道筋と、これからの展望を分かりやすく説明しています。その中で、なぜ人口知能がブームになったか、ディ―プラーニングはこれまでの機械学習と何が違ってどういうポテンシャルを秘めているかについて、特に興味深く感じました。また次の2点に腹落ちしました。①(黒橋先生の言葉として)結局、いい特徴量をつくるのが実は一番大変で、人間がやるしかないこと(137頁)、②いずれにしても、まず議論すべきは、「人工知能が将来持つべき倫理」ではなく、「人工知能を使う人間の倫理」や「人工知能をつくる人に対する倫理」であること(209頁)。これに対して、次の2点については、もう少し考え勉強するつもりです。①人間の知能がプログラムで実現できないはずはないこと(175頁)、②シンギュラリティというのは、人工知能が自分の能力を超える人工知能を自ら生み出せるようになる時点を指すとした上で(202頁)、私の意見では、人工知能が人類を征服したり、人工知能をつくり出したりという可能性はない。夢物語であるとしていること(203頁)。