· 

海外事業と経営者

今月に入って、日本郵政とキリンが海外事業を売却するという報道(1)(2)に接しました。

(1)2020年11月5日付日本経済新聞 日本郵政、成長戦略仕切り直し 不振の豪宅配売却へ :日本経済新聞 (nikkei.com)

 (2)2020年11月21日付日本経済新聞 キリン豪飲料事業、現地企業に売却へ 豪中摩擦で一時暗礁 :日本経済新聞 (nikkei.com)

どちらも舞台がオーストラリアというのは偶然でしょうか。それはさておき、(1)2015年11月の郵政上場を控え、当時の経営陣が事業を十分に精査しないまま買収に踏み切った、(2)競争激化で販売が苦戦。(中略)低収益の状況が続いていた、ということから(事業分野は異なりますが失敗の原因は)同根であるように思います。実際M&Aに関しては、解説本やマニュアルが既に相当整備されています。にもかかわらず、意図した成果を実現できなかったのは辛いところです。となると(失敗の)責任は経営者ということになるのでしょうが、そこにとどまらず、経営者をそうさせてしまった(またはそういう経営者しか輩出できなかった)会社および(会社を取り巻く)社会のあり方にも目を向けないと、負のスパイラルは続くように思います。今回両社は、コロナ禍において苦しい経営判断をしました(日本郵政は未だ売却先を見つけていないそうです)。ここからはbeforeコロナへの回帰ではなく、withコロナのニューノーマル(新常態)の確立を目指して頑張って欲しいと思います。