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田中一弘 (2014)『「良心」から企業統治を考える 日本的経営の倫理』読了

筆者の着眼点を興味深く感じました。企業統治といえば、とかく枠組みで語られがちです。これに対して筆者は、日本企業で伝統的に培われている良心による統治に目を向けているからです。確かに良心と聞くと、情緒的な精神論というイメージがあるかもしれません。しかし良心に基づく経営理念や行動規範は、重要かつ日本のSDGsを支えるインフラです。ガバナンスという枠組みと良心が1つになって初めて有効な企業統治が可能になるという筆者の主張に賛同します。