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スコット・ギャロウェイ、渡会圭子[訳] (2018)『the four GAFA 四騎士が創り変えた世界』読了

GAFA(=Google, Amazon, Facebook, Apple)は、時価総額合計額が日本全体の(時価総額合計額の)約8割に相当する巨大IT(情報技術)企業です。そんなGAFAに関するこの本は、以前から気になっていました。今回(ようやく)読了しました。内容的には、①GAFAはなぜこれほどの力を得たか、②GAFAは世界をどのように支配し創り変えたか、③GAFAが創り変えた世界で私たちはどう生きるかをテーマに、GAFAをヨハネ黙示録の四騎士になぞらえて、分かりやすく説明されています。勉強になりました。読んで良かったです。ただ全体を通して「少数の支配者と多数の農奴が生きる世界」への変容を描きつつ、「四騎士は神、愛情、セックス、消費の具現者であり、何十億人もの人々の毎日の生活を高めている。というのが結論」であり、「これが続けば中産階級は空洞化し、それが街の破綻へとつながる」という筆者の見立てには、やや殺伐とした気持ちになりました。また筆者は、この現実を変えようと訴えるわけではありません。その代わり、with GAFAの世界で企業や個人が成功するための要素を示しています。起業家出身で、現在はビジネススクール教授を務め、「私はいまバランスの取れた生活を送っている。それは20代から30代に、バランスなど無視して働いてきたからだ。」と語る筆者にとって、現実的かつ妥当な選択なのでしょう。