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映画『ノマドランド』鑑賞

この映画に関心を抱いたのは、「亡き夫と長年暮らした企業城下町の破たんをきっかけに、ファーンは車1台分の思い出だけを詰め込み、放浪の民(ノマド)として生きることを選ぶ・・・」(というコピー)が、『ヒルビリー・エレジー アメリカの繁栄から取り残された白人たち』を思い起こさせたからです。実際鑑賞したところ、期待以上でした。先ず、ドキュメンタリーとドラマが融合した不思議な作品でした。最初から最後まで、ノマドの日常生活が淡々と描写されます。確かに劇的な展開はありません。しかし圧倒的な自然や風景・人々の暮らし、季節ごとの(Amazonの仕分け作業や屋外宿泊施設の管理といった)仕事など退屈することはありませんでした。また、メインの2人(フランシス・マクドーマンドとデビッド・ストラザーン)以外は、実在のノマドを、本人たちが演じていることも驚きでした。この映画の原作は、ジェシカ・ブルーダーのノンフィクション『ノマド:漂流する高齢労働者たち』だそうです。こちらも読んでみようと思いました。