· 

日本のIPOと国際標準の会計基準

日本のIPOが伸び悩む理由の1つとして、米国や中国の豊富な資金が流れ込む、同じアジアの香港および中国本土・インド・シンガポールなどに比べて、日本のVCは国内の資金が多く、「国際標準の会計基準を採用する国内VCが少ないため海外比較をしにくく、国内外の機関投資家にとって資金を託しづらい。」ことがあげられていました。出所:2021年4月19日付日本経済新聞

日本のIPOシェア低下 調達額、アジアで5%未満: 日本経済新聞 (nikkei.com)

ところで「国際標準の会計基準」といえばIFRSでしょうか。この点、IFRS任意適用の要件は、当初-2010年3月期-は「上場していること」「IFRSによる連結財務諸表の適正性確保への取組・体制整備をしていること」「国際的な財務活動または事業活動を行っていること」の3つでした。その後-2013年10月以降-は「IFRSによる連結財務諸表の適正性確保への取組・体制整備をしていること」のみに緩和されています。したがって、現在(ほぼ)上場企業の連結財務諸表に限定されているIFRSが、VCでも適用されるようになれば、VCはより多くの資金調達が可能となり、IFRSは任意適用先が拡大するというwin-winの関係が新たに生まれるのではないでしょうか。