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西浦博[著]・川端裕人[聞き手] (2020)『新型コロナからいのちを守れ!-理論疫学者・西浦博の挑戦-』読了

著者の専門である「理論疫学」は、感染者数・感染経路・感染動向・感染日時などのデータから、①将来どの程度感染が広がるか、②現在の感染状況や報告されている感染者数からすると実際はこれくらいの患者がいるはず、③現状から逆算すると当初はこれくらいの感染者がいたはず、といったことを数学的に算出する学問で、感染対策において「羅針盤」となることを期待されているそうです。それらを知ったことで、「8割」「42万人」「実効再生産数」といった、著者による(やや刺激的に感じた)メッセージの背景および意図・真意を理解することができました。また新型コロナウイルス感染対策においては、情報公開を徹底した上で「リスク・インフォームド・デショジョン(意思決定支援)」が必要という著者の主張も腹落ちしました(例えば、OODA(ウーダ)ループを回すにも、「情報公開」「情報共有」は不可欠だからです)。