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企業監査の新ルール

日本公認会計士協会は、「企業1社からの報酬が監査法人の収入の15%を超える場合、その企業を監査できる期間を最長5年に限る」という新ルール導入の検討に入ったそうです。出所:2021年4月28日付日本経済新聞

企業監査、なれ合い防ぐ 会計士協会が新ルール: 日本経済新聞 (nikkei.com)

確かに「特定企業への報酬依存度を下げて独立性を担保する」ことで、「企業とのなれ合いを防ぎ、決算書への信頼向上につなげる」という狙いは理解できます。しかし「影響が大きいのは中小法人とその顧客の企業だ。」という点は、やはり気になります。例えば、新規に上場を目指す企業が、新たに監査法人と契約する場合、大法人と(今後新ルールに抵触し得る)中小法人のどちらを選ぶでしょう。監査品質を含めたサービスに(は)満足でも、5年以内に新たな監査法人を探さなければならない可能性があるとすれば、中小法人は避けるかもしれません。先ずは、独立性の担保を監査報酬のあり方(のみ)に依拠し得るかという点の再検討が必要ではないでしょうか。