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米富裕層の個人所得税

非営利の米報道機関プロパブリカが、米アマゾン・ドット・コム創業者ジェフ・ベゾス氏ら富裕層の納税記録を独自に入手した、と報じられました。出所:2021年6月9日付日本経済新聞 米富裕層「税金ほぼ払わず」 ベゾス氏らの納税記録暴露: 日本経済新聞 (nikkei.com)

所得税、それもアメリカの所得税についての知見はありません。したがって、「米国では富よりも勤労所得への課税に重点が置かれていることが一因」かどうかの判断はつきません。ただ一読したかぎりでは、脱税をしているわけではなく、認められた中での節税の結果のように感じました。例えば、わが国の所得税も、給与所得(≒勤労所得)のような「フロー」は毎年課税対象となります。これに対して、保有資産(≒富、株式や不動産など)である「ストック」は、実現・未実現といった論点があり、課税のタイミングが(フローとは)異なるからです。それはさておき、「富裕層は支払うべき税金を納めていると主張」しており、著名投資家ウォーレン・バフェット氏が、「個人資産の99%以上を慈善活動にあてるとした」上で、「(私の税金を)増え続ける米国の債務をわずかに減らすために使うよりも、慈善活動に資金を提供したほうが、社会の役に立つ」と述べたとされる点は、興味深く感じました。