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KAMの初度適用

2021年3月期から義務化(2020年3月期から早期適用)されたKAMについて、あずさ監査法人による集計結果が報じられていました。

出所:2021年8月26日付日本経済新聞 財務監査の重要項目「KAM」 減損リスクが最多: 日本経済新聞 (nikkei.com)

興味深い内容でした。同時に、記事の書きぶりによるのだと思いますが、例えば、「企業の財務監査の重要項目を有価証券報告書(有報)に記載する『KAM』」の部分は、KAMは監査報告書の記載事項では?、「KAMは監査人と会社側が議論のうえで内容を決めており」の部分は、監査報告書のオーナーは監査人では?、「財務リスクをしっかり確認して経営や監査にあたっている」の部分は、経営は経営者・監査は監査人それぞれの専管事項では?といった素朴な疑問が浮かびます。もとより監査人が監査報告書にKAMとして記載するのは、監査人のリスクに対応するためで、経営者のリスクに対応するためではありません。したがって二重責任の原則の趣旨ともども、利害関係者の受け止め方も気になりました。