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伊藤公一朗(2018)『データ分析の力 因果関係に迫る思考法』読了

『「原因と結果」の経済学-データから真実を見抜く思考学』読了後、「因果関係の見極め方」を中心に、もう少しこの分野のことを知りたいと思い、本書を手に取りました。理解することができたことをまとめると次の通りです。

・因果関係は、XとYが相互に関係しているだけの相関関係とは全く異なる。

・因果関係を、データから導くのは難しい。なぜなら、他の要因が影響していた可能性を排除できないから。

・ランダム化比較試験(RCT)を用いれば、ランダムに分けた介入グループと比較グループを比較し、平均介入効果を求めることで、因果関係を示すことができる。

・しかしRCTを実施するには、資金・労力・(関係機関の)協力が必要であり、ハードルが高い。RCTの代替手段としては、RDデザインやパネル・データ分析がある。

本書では、数式ではなく平易な文章で丁寧に説明がされています。したがって、感覚的に理解することができます。また各章の終わりには、章のポイントがまとめられています。参考文献も豊富に紹介されていることから、さらに自分の関心分野を深めることもできます。データ分析との距離も縮めてくれる貴重な一冊でした。