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岩波書店編集部[編](2021)『アカデミアを離れてみたら 博士、道なき道をゆく』読了

本書は、主に理系の博士号取得者21名が、アカデミアを離れた後どのような人生を歩んだかについて、インタビュー形式で紹介しています。アカデミアでの経験がどのように活かされたか?という点に関心を抱き、(本書を)手に取りました。21名の活躍の場は、企業にお

ける研究・開発はもちろん、政治家、教師、AI起業家、ベンチャー・キャピタリスト、翻訳家、研究機関の広報、文部科学省の行政官、報道記者、弁理士、指揮者・作曲家、島おこし、農業と実に多様でした。(広告業界から)アカデミアに戻ってきた方、産と学を行った

り来たりされている方もおられました。共通の強みは、学ぶことを学んでいることから、(データを)読み解く力と(実験を繰り返す)忍耐力を身につけていることでしょうか。アカデミアに残れるか、残れなければ出ていく(しかない)という単線の人生から、一歩踏み出す勇気と運(や巡り合わせ)によって、複線の人生を歩む生き方をたくましく思いました。