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映画『ダ・ヴィンチは誰に微笑む』鑑賞

この作品は、1,175ドル(約13万円)で購入された絵画が、修復され、レオナルド・ダ・ヴィンチの描いた絵画「サルバトール・ムンディ」として、4.5億ドル(約510億円)で売却されるまでのドキュメンタリーです。興味深かったのは、①1,175ドルの絵画が、専門家のお墨付きを得て、ダ・ヴィンチの作品として公開されると、想像を超える金額(4.5ドル)で取引されること、②学芸員・学者・美術商・ジャーナリスト・大富豪・代理人・競売会社など様々な関係者が存在し、それぞれの思惑や利害が複雑に錯綜すること、③関係者へのインタビューを通じて、(この絵画の)真偽と現在の持ち主が徐々に明らかになっていったことです。なお原題は、”The Savior for Sale”(販売者のための救世主)です。これは20171115日、クリスティーズのオークションで、「サルバトール・ムンディ」を史上最高額(4.5億ドル)で購入した人のことで、現在の持ち主ではないか?と言われているそうです。またサウジアラビアによる(この絵画をダ・ヴィンチの真作として「モナ・リザ」の隣に展示するという)要求を、ルーヴル美術館の精査の結論に基づき認めなかったフランス政府の対応は、印象に残りました。