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白川方明(2018)『中央銀行 セントラルバンカーの経験した39年』読了

筆者が、自らの日本銀行での生活を振り返る本書は、700頁を超える大部です。3部構成です。そこでは、個別の論点を網羅的に整理・解説した上で、筆者の立場・意見が明確に示されています。中でも、2008年4月~2013年3月の「第2部総裁時代」は、リーマンショック・欧州通貨危機・東日本大震災・アベノミクスと記憶に新しい出来事が盛りだくさんでした。筆者は、過去経験したことがなく何が正解か分からない、これらの出来事に対峙した時も、「日本銀行の使命は物価と金融システムの安定」という軸をぶらすことはありませんでした。ところで、日本銀行の副総裁を5年(2013年3月~2018年3月)務めた岩田規久男は、筆者とは(やや)異なる立場・意見だそうです。こちらの本(岩田(2018)『日銀日記:五年間のデフレとの闘い』)もいつか時間を作って読んでみたいと思います。