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橋本幸士(2021)『物理学者のすごい思考法』読了

本書は、物理学者である筆者が、日々の様々な物事を、どのように見たり考えたりしているかを綴ったエッセーです。正直、①子供とギョーザを包みながら皮とタネのバランスを考える、②たこ焼きのサイズと昆虫の大きさの近似性を気にする、③ニンニクの皮を向きながら微分に思いを寄せるといった思考法は、想像できませんでした(理系の人にとっては「あるある」なのかもしれませんが)。今回初めて物理という学問および物理学者の思考法を知り、興味深く感じました。もし高校生の頃に(本書を)読んでいたら、(当時の共通一次試験で)物理Ⅰを選択していたかもしれません(もちろん理系に進む能力はありませんが)。「自分で問題を設定して自分で解く、これを世間では研究者と呼ぶ」物理学者であり、「研究は趣味、楽しくて楽しくてたまらない」と言える筆者は、幸せ者です。