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映画『フレンチ・ディスパッチ』鑑賞

正式なタイトルは、「フレンチ・ディスパッチ ザ・リバティ、カンザス・イヴニング・サン別冊(THE FRENCH DISPATCH OF THE LIBERTY, KANSAS EVENING SUN)」です。

この映画の舞台は、タイトルからも分かる通り、20世紀フランスの架空の街で、アメリカの新聞社の支社が発行する「フレンチ・ディスパッチ」(という雑誌)の編集部です。「フレンチ・ディスパッチ」は、世界中で多くの読者を得ている人気雑誌です。ところが、アメリカ生まれの名物編集長が仕事中に急死、同編集長の遺言によって「フレンチ・ディスパッチ」は廃刊となります。

この映画では、同編集長の追悼号となる最後の「フレンチ・ディスパッチ」に掲載する1つのレポート(自転車レポーター)と3つのストーリー(確固たる名作、宣言書の改訂、警察署長の食事室)が描かれています。「フレンチ・ディスパッチ」について、ウェス・アンダーソン監督は、青年期に刺激を受けたアメリカの雑誌「ニューヨーカー」からヒントを得たそうです。同監督が描く古き良き時代の雑誌文化は懐かしく、編集者たちの仕事ぶりや記事にまつわるエピソードも興味深かったです。おかげさまで(同監督の)前作「犬ヶ島」(2018)同様、楽しい一時を過ごすことができました。