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高橋源一郎(2019)『一億三千万人のための「論語」教室』、渋沢栄一、守屋淳[訳](2021)『現代語訳 論語と算盤』読了

2022年度の担当科目(の1つ)である教養ゼミ(2年生)において、「論語」を取り上げる場合のテキストの候補として、両書を手に取りました。

前者は、論語を理解しやすい現代語で解説した入門書でした。中国文学研究者ではない高橋ですが、自らを孔子の弟子と仮定して、孔子の思いを、正確な翻訳ではなく自分なりの言葉で伝えています。論語をテキストとする読書会・勉強会のイメージでした。

後者は、論語に基づく道徳とビジネス(算盤)の話でした。渋沢は、一見相反する道徳とビジネスについて、目指すところは一致しており、ビジネスにも道徳が必要と説いています。SDGsやESGを先取りした(かのような)渋沢の主張は、現代にも通じるものでした。一方

SDGsやESGが周知されつつある現在、目から鱗が落ちるほどのインパクトを求めることは難しいかもしれません。

教養ゼミにおいては、「簿記」も検討しています。その場合のテキストの候補は、『人生を豊かにする簿記-続・簿記のススメ-』です。新学期まであまり時間はありません。学生さんの目線も意識しながら、もう少し考えたいと思います。