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四半期決算開示の一本化と財務諸表の信頼性低下への懸念

四半期決算開示を短信に一本化(し、第1・第3四半期報告書を廃止)する方向が固まったことに関して、企業は作業負荷軽減を歓迎するが、効率重視の改革は財務諸表の信頼性低下というリスクをはらむという懸念があるそうです。

出典:2022年5月23日付日本経済新聞電子版 四半期決算、「効率開示」が払う代償: 日本経済新聞 (nikkei.com)

この点、中間期(第2四半期)のレビューまたは半期報告書制度における中間監査は行われるのでしょうから、信頼性低下というリスクは、それほど生じないのではないでしょうか。また第1・第3四半期のレビューの有無にかかわらず、年度(第4四半期)監査における期中監査として、個社とコミュニケーションをとり、個社からヒアリングを行うのでしょうから、相応の保証水準は保たれるのではないでしょうか。そもそも(作業負担軽減を歓迎する)企業が、二重責任の原則に基づく財務諸表の作成責任を従来以上に重く受け止めてくれれば、効率開示が払う代償(なるもの)は生じ得ないのでは?という素朴な疑問も生じます。