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適時開示は消極的か

投資判断に影響のある情報をいち早く開示する適時開示で、日本企業の消極的な姿勢が目立つそうです。具体例として、新型コロナウイルス禍や足元のウクライナ情勢において、事業活動に及ぼすリスクの説明が、海外と比べて少ないことがあげられています。原因は、①日本市場の規則の細かさ、②日本企業のリスク開示に対する考え方とのことです。

出典:2022年6月9日付日本経済新聞電子版 「適時開示」日本企業見劣り リスク説明、規則が足かせ: 日本経済新聞 (nikkei.com)

この点、確かにより多くの情報をより高い頻度で投資家へ提供すべきといったセオリーは、良く耳にします。しかし上場企業の中にも、大企業からそうでない企業まで混在する日本市場において、「一律」の議論がなじみ得るのかどうかは、慎重に検討する必要があるように思います。投資家についても、「投資家との対話を活発化させることが大切だ」と言い切るには、多種多様な投資家の存在は気になります。

素朴に考えて、一律に強制されなくても、日本企業がそれぞれの未来を描くことができれば、任意に前向きな開示を行うようになるのではないでしょうか。日本企業が、成長につながるイノベーションを、1つでも多く見つけることができるよう願っています。