· 

世界遺産・国宝『富岡製糸場』見学

正式には、「富岡製糸場と絹産業遺産群」として世界遺産に登録され、国宝でもある富岡製糸場(以下、製糸場)を見学しました。本務校(@高崎市)に奉職して来月で丸3年です。ようやく念願が叶いました。製糸場および製糸場界隈で、ほぼ1日を過ごしました。

 

1. 製糸場

おすすめコース(東置繭所(国宝)→西置繭所(国宝)→社宅76→繰糸所(国宝)→首長館)に従って見学しました。いずれも興味深く、暑さと時間を忘れて見入るものばかりでした。特に印象深かったのは次の点です。

第1に、1872年(明治5年)国家プロジェクトとして操業を開始、1893年(明治26年)に民間企業へ払い下げられた後も1987年(昭和62年)まで100年以上に亘って生産を続けた歴史を俯瞰することができました。第2に、明治維新から昭和にかけて、日本の近代化を支えた製糸産業の存在感が良く分かりました。第3に、日本の技術革新によって生糸の生産量が増えて、世界の絹の大衆化に貢献したことを誇らしく思いました。第4に、近代製糸業発祥の地である上に、建造物などの保存状態も良いことから、ユネスコの世界文化遺産に登録されたことに得心しました。第5に、首長館(ブリュナ館、フランス人の生糸技術者で設立を指導)・検査人館(フランス人男性技師の住居)・女工館(器械製糸技術を教えるために来日したフランス人女性教師の宿舎)・診療所といった、おすすめコースに含まれていない建造物も興味深く見学しました。第6に、器械製糸場設立に関して、外国資本からの働きかけも強まる中、その緊急性と重要性を理解していた明治政府(伊藤博文や大隈重信)の(国営製糸場を設立し国益を守るという)決断を頼もしく感じました。

 

2. 製糸場界隈

製糸場界隈はレトロな建物が残り、街歩きを楽しみました。遅めのランチは「おきりこみ」を頂きました。「おきりこみ」は、上州ほうとう・煮ぼうとうとも呼ばれる麺と野菜の味噌煮込みです。大根や人参など野菜もゴロゴロ入っていました。美味しかったです。ごちそうさまでした。

 

おかげさまで楽しくかつ有意義な1日を過ごすことができました。ありがとうございました。製糸場からさらに足を伸ばすと、「こんにゃくパーク」や「榛名湖」といった観光スポットもあるそうです。時間を作ってまた訪れたいと思います。

ところで自宅から製糸場は、環八(約20キロ)→練馬ICから関越道・上越新道(約100キロ)→富岡ICをおりてすぐ(約3キロ)です(約123キロ)。所要時間は通常2時間弱だそうです。しかし今回は、往復いずれも関越道で事故渋滞に巻き込まれました。とはいえ急ぐ旅ではありません。安全運転を心がけました。ただレンタカーを返す時間が大幅に遅れ、ご迷惑をおかけしました。申し訳ありませんでした。なお遅れた原因は、事故渋滞だけではありません。製糸場および製糸場界隈での長居も原因です。