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税務上の中小企業が増加

資本金を1億円以下にして、税務上の中小企業となる企業が増えているそうです。

出典:2022年9月4日付日本経済新聞電子版 中小企業化で節税、「1億円」企業続々 低成長で窮余の減資: 日本経済新聞 (nikkei.com)

統計的には、資本金1億円超の税務上の大企業は、直近の2020年度調査で19,989社(全法人に占める割合は0.76%)だったとのことです。ピークだった2006年度は29,618社(同1.18%)を占めていました。一方、資本金がちょうど1億円の企業は、ほぼ1.5倍の13,086社に増えたそうです。

この点、税務は専門外かつ勉強不足で論ずる能力はありません。しかし減資は、株主総会の決議をもって行う点を改めて思い出しました。また会社法における大会社の定めには、「・・・または負債の部に計上した額の合計額が二百億円以上」(同法第2条第6項)があります。したがって減資をしても、会社法上は大会社のままで機関設計に変更はない?という素朴な疑問も生じました。

それはさておき、学部の(財務会計論や会計学基礎の)講義では、資本金の減少(減資)は、通常、①配当財源を増加させるため、②欠損を填補するためといった目的で行われると説明しています。