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『スカジャン展』鑑賞

横須賀美術館で開催されている『スカジャン展』を鑑賞しました。

スカジャンとは、横須賀ジャンパーの略です。第二次世界大戦後、日本に滞在する米兵の土産物や記念品として、和装由来の鷲・虎・龍などを豪華に刺繍したジャケットが誕生しました。このジャケットは、国内の米軍基地内やその周辺で売られ人気アイテムとなり、スーベニア・ジャケットと呼ばれるようになりました。

スーベニア・ジャケットは、その後、日本人のアメリカン・カジュアルへの憧れやヴィンテージ・ブームにより、多くが日本に里帰りしました。中でも横須賀のスーベニア・ジャケットは、戦後一貫して売られ続け、アメリカと日本の文化が融合するドブ板通りのイメージと結び付き、横須賀ジャンパーというブランドを確立しました。現在は(横須賀ジャンパーを略した)スカジャンの名で、日本のみならず世界中で知られています。

今回は、テーラー東洋のヴィンテージ・コレクションを中心に、様々なスカジャンが展示されていました。どれもユニークで、発想の豊かさとそれを実現する技術の高さに驚きました。また戦後から1950年代にかけて、ドブ板通りで実際に販売されていた商品や写真を通して、基地文化の一端を知ることができました。

一方、沖縄では、落下傘の布をかき集めて土産物を作っていたようです。厳しい経済状況下、当時は1ドル360円の時代でもあり、何とかドルを得たいという強い思い(執念)を感じました。

ところでドブ板通りは、京急本線/汐入駅から米/海軍ベースまでの間にあるエリアのことです。横須賀が、旧帝国海軍の軍港として発展し始めた明治時代、通りにはどぶ川が流れていたそうです。そこで海軍から厚い鉄板をもらい、どぶ川に蓋をしたことから、ドブ板通りと呼ばれるようになりました。

帰路、ドブ板通りを車で通ってみました。距離にすると1キロもありませんでした(300~400メートルでしょうか)。しかし店の看板を見るだけで異国情緒を感じました。機会があれば歩いてみたいと思いました。