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ジェネリックインクとジェネリック医薬品

ジェネリックインクとは、互換インクメーカーによって製造されている純正インクに互換可能なインク、非純正インクです。

年明け早々、自宅PCのインクを補充するため、近所の家電量販店へ行きました。いつものインク売り場で、ジェネリックインクが販売されていました。ジェネリックインクの値段を純正インクと比べると、2割程度違っていました。そこで表示されていた(プロスコンスを中心とするジェネリックインクの)説明を読んでみました。丁寧かつボリュームのある説明でした。しかし結論は、ご自身のお考え(リスク)で判断して下さいと読めました。したがって今まで通り純正インクを買って帰りました。

ここで、ジェネリック医薬品を思い出しました。ジェネリック医薬品は、①病院で処方箋を書いてくれる医者、②薬局で(処方箋に従い)薬を出してくれる薬剤師が、それぞれ説明とアドバイスをしてくれます。それによって、医薬品に不慣れな私たちも安心してジェネリック医薬品を選ぶことができます。

ジェネリックインクとジェネリック医薬品を通して、『その規約、読みますか?:義務的情報開示の失敗』の「開示義務者は、開示義務は、人の品位を尊重し、弱点を保護するという。しかし、開示義務は、もっとも援助の必要な人をあまり助けず、あまり援助の必要のない人をもっとも助ける傾向にある。」(p.215)、「アドバイスは(通常)、開示よりもシンプルで短いというだけではない。それは開示とは違う種類の援助を提供するものである。」(p.223)、「要するに、あらゆる種類の情報の仲介者(コンサルタント、アグリゲーター、目の肥えた顧客)は、人々が不慣れで複雑な意思決定をする際に必要なアドバイスを与えるという点において、開示義務以上のことを達成すると我々は考えている。そして、幸運なことに、仲介者は開示義務なしでもそれを実現する。彼らは、開示義務を補うものではなく、開示義務の多くを代替するものである。」(p.229)という件に、改めて腹落ちしました。