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インパクト会計とは

インパクト会計と呼ばれる、脱炭素などESG(環境・社会・企業統治)の側面も数値化して企業価値に反映する、企業が稼いだ利益以外の要素を金額換算する試みが広がり始めているそうです。出典:2023年1月15日付日本経済新聞電子版 企業の真価映す「インパクト会計」、実用化の難路: 日本経済新聞 (nikkei.com)

確かにインパクト会計という言葉インパクト会計に関する記事を見聞することが多くなりました。この点、インパクト会計とは、企業が環境や社会に押し付けてきた(とされる)環境社会コストを可視化して、改めて企業価値を推計する仕組みだとすれば、賛同する投資家がいることは理解できます。

一方、討議資料『財務会計の概念フレームワーク』2006年12月, 企業会計審議会は、第1章第2項で、「投資家は不確実な将来キャッシュフローへの期待のもとに、自らの意思で自己の資金を企業に投下する。その不確実な成果を予測して意思決定をする際、投資家は企業が資金をどのように投資し、実際にどれだけの成果をあげているかについての情報を必要としている。経営者に開示が求められるのは、基本的にはこうした情報である。財務報告の目的は、投資家の意思決定に資するディスクロージャ―制度の一環として、投資のポジションとその成果を測定して開示することである。」と定めています。

したがって重要なものは、財務情報として全て金銭で評価されて開示されているはずです。それでも投資家が、企業価値の推計に必要な非財務情報があるというなら、インパクト会計かどうかはさておき、投資家のニーズに応じて開示してあげれば良い(だけの)ように(も)思います。