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辻山栄子 [編著](2018)『財務会計の理論と制度』読了

今年は、久々に(1)利害関係者への影響が大きいと解される会計基準(2)の議論が始まります(3)。またのれんの償却については、昨年、IASBとFASBが、いずれもわが国と異なる会計処理の継続を決めました。これを受けて、わが国での議論を求める声もあるそうです。

出典:2023年4月17日付日本経済新聞電子版「のれん償却」巡る議論、日本に飛び火 - 日本経済新聞 (nikkei.com)

したがって今年は、財務会計にとって重要な年になるかもしれません。そこで、以前読んでやや時間が経過した専門書に取り組むことにしました。目的は、振り返りによる確認および現状への紐付けです。

第1弾である本書は、現代会計に内在する混迷と危機について、様々な角度から専門の先生方が論じておられます。中でも、第1章(現代会計の危機)における現在にも通じる問題点の指摘、第5章(投資回収計算と企業価値評価の接点)における財務会計のあり方は有意義でした。

引き続き自分の勉強に割く時間を捻りだし、重要な年を悔いのないように過ごしたいと思います。

(1)2018年3月30日に公表された、企業会計基準第29号「収益認識に関する会計基準」および企業会計基準適用指針第30号「収益認識に関する会計基準の適用指針」以来である。

(2)リースに関する会計基準である。

(3)2023年5月2日、企業会計基準公開草案第73号「リースに関する会計基準(案)」および企業会計基準適用指針公開草案第73号「リースに関する会計基準の適用指針(案)」が公表された。