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『大江戸の賑わい 幕末明治の浮世絵百年』鑑賞

高崎市タワー美術館(1)で開催されている『大江戸の賑わい 幕末明治の浮世絵百年』を鑑賞しました。

浮世絵をまとめて観るのは初めてでした。本展覧会では、140もの作品が10の章(2)に分けて展示されており、じっくり楽しむことができました。

鑑賞後は、「江戸の人びとは、現代人がテレビやインターネットで情報を得るように、歌川広重の東海道五十三次とともに旅行を楽しみ、歌川国芳が描いた歴史ヒーローによって歴史や伝説を語り、寄せ絵や風刺絵で社会を知って、人気の歌舞伎役者や力士の絵を買い求めるなど、浮世絵をメディアツールとして楽しんだのです。」という解説が腹落ちしました。限られた時間でしたが、興味深い一時を過ごすことができました。

なお会場アンケートで、最も気に入った浮世絵を1つ(だけ)答える項目がありました。悩んだ末、歌川国芳の弁慶が勇力戯に三井寺の焚鐘を叡山へ引揚る図(3)を選びました。弁慶の力強さおよび焚鐘の大きさと、少し離れたところからその様子を見守る牛若丸との(小ささを含めた)コントラストが印象に残ったからです。

(1)場所はJR高崎駅東口から徒歩2~3分。ほぼ駅直結。

(2)第一章「風景画 旅すがた人模様」、第二章「美人画 四季の装いと化粧」、第三章「幽霊と妖怪絵」、第四章「江戸の三大ペット 猫・犬・金魚」、第五章「相撲絵」、第六章「英雄・ヒーローたちの物語」、第七章「戯画 江戸っ子の遊び心」、第八章「開花絵 異国への憧れ」、第九章「明治という時代」、第十章「明治の美人画 欧化ファッション」。 

(3)1846年の作品である。